教員コラム
【教員リレーコラム】第26回 重國 宏次「LGBTQ+研修会を行いました!」
皆さん、こんにちは。
理学療法学科の重國 宏次(しげくに こうじ)と申します。
よろしくお願い致します!
今回のコラムは、2024年10月27日(日)に開催したLGBTQ+研修会についてご紹介します。
LGBTQ+とは?
この研修会は、東京都の理学療法士たちを取りまとめている団体が主催していまして、私も講師として参加しました。
ところで、皆さんは「LGBTQ+」という言葉、知っていますか?
正確に何を表すかは意外に知られていないかも知れません。
「LGBTQ+」は、L(レズビアン/女性同性愛者)、G(ゲイ/男性同性愛者)、B(バイセクシュアル/両性愛者)、T(トランスジェンダー/出生時の性別と自認している性別が一致しない人)、Q(クイアまたはクエスチョニング/性的指向や性自認が従来の枠に収まらない人、もしくは探している段階にある人)、そして「+」は上記以外にも存在する様々な性的指向や性自認の人々を包括する記号です。
性的指向:恋愛対象あるいは性的な関心が向く対象
性自認:自分の性別をどのように認識しているか
「私の周りにLGBTQ+の人はいない」はウソ!?
ここで、一つ質問です!
「皆さんの周りに、LGBTQ+つまりセクシャルマイノリティ(性的少数派)の人はいますか?」
この質問に「いいえ」と答える方もいるかと思います。
それでは、日本人の何%くらいがLGBTQ+の方なのでしょうか。確認してみましょう。
2023年6月に大手広告企業の電通グループが57,500人を対象としたインターネット調査では、
LGBTQ+当事者層の割合は9.7%でした。日本人の約10%ですね。
(https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/001046.html)
ここでまた質問です!
「皆さんの周りに、左利きの人いますか?」
「皆さんの周りに、血液型がAB型の人いますか?」
この質問に「いいえ」と答える方はいないと思います。
日本人の約10%が左利き、日本人の約10%がAB型です。
同じ約10%の割合でLGBTQ+の方がいるのに、周りにいないと答えた方がいるのは、どういうことだと思いますか?
それは、あなたの周りにいるLGBTQ+の方があなたにカミングアウトしなかった、のかも知れません。隠していないと、差別や偏見の対象になってしまう危険性があるからです。
医療職がLGBTQ+について学ばなくてはならない理由
「いるのに見えない、気づかない=知らないうちに傷つけているかも知れない」ということです。
少し想像してみて下さい。
トランスジェンダーの方が体調が悪くて病院に行こうか迷っています。
しかし、病院に行くのが嫌なので我慢してしまいました。
なぜでしょうか?
受け付けで渡す健康保険証の性別と自分のファッションや言葉遣いや振る舞い(性表現と言います)が異なっている場合などがあるからです。
LGBTQ+に理解がない医療従事者から変な目で見られるかも知れない。何か陰口を言われるかも知れない。それなら辛いけど我慢してしまおう。
その結果、病気が進行して救急車で運ばれる事態になってしまうこともあります。
日本国憲法では、すべての国民が「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を有すると定められています。
しかし、LGBTQ+の方が安心して利用できる医療機関はまだまだ少ないのが現状です。
病院の中は多様性であふれている
病院には皆さんが普段、接することが少ない方々も来院されます。
普段障害を持っている人、障害がない人、子供からお年寄りまで、日本人もいれば外国の方も、お金持ちの方もいれば、ホームレスの方も来ます。
そして、今回のコラムで男性と女性だけでなく様々なセクシャリティの方もいるということを理解して頂けたかと思います。
医療にたずさわるということは、この多様性に適切に対応することなのだと思います。
皆さんも「LGBTQ+の方は周りに確実にいる。」ということを認識して、身近な多様性について考えてみて下さい。
最後まで読んで頂いてありがとうございました!
執筆者プロフィール
重國 宏次(KOJI SHIGEKUNI)
理学療法学科 講師
専門領域:運動器理学療法、高齢者理学療法