新着情報

教員コラム

【教員リレーコラム】第25回 齋藤 久恵「リハビリテーション職種に大切な『強み』とは?」

作業療法学科の齋藤久恵と申します。

今、4年生達はまさに就活の真っ最中です。
学生達は、専門科目の講義・演習、展開科目、隣接他分野の講義など様々な学びを経て、各病院、施設で長期間に渡る臨地実務実習という臨床現場で患者さんや指導者の先生方にたくさんの貴重な経験をさせて頂き、自分の進みたい領域、病院を決め、今就活に臨んでいます。
リハビリテーション分野の人員は、多くの病院で不足している状況が続いているため、学生達は自身の進みたい道を選択でき、現段階で既に内定を頂いている学生もたくさんいます。

今回、就職、働くに際して求められる、「強み」についてお話をさせて頂きたいと思います。
ご自分の「強み」は何でしょうか?
「強み」と似た言葉に「長所」「特技」「得意」などがあります。
「強み」、「長所」「特技」などはどれも本人が持つ優れたスキルですが、その中で「強み」は第三者が享受することのできる他の人よりも優れた能力で、主に仕事に活かすことができる能力のことをいいます。
そして、さらにその「強み」をどのように活かすことができるか、が必要となります。

リハビリテーション職は、医療の専門家であり対人援助職です。
そのため、求められる「強み」として、コミュニケーション能力、専門職としての知識・技術、社会性、問題解決能力など様々な能力がありますが、その中の一つとして私は「観察力」がとても大切であると考えます。
「観察力」は単なる観る力ではなく、医療専門家として評価し治療方針を立て実行するための観察力、対人援助職としての相手の立場や状況を考えながらその人に気持ちを向けることができる力、その人の言葉だけでなく表情やその他背景から推察する力、多角的視点から考える力などです。 そして「観察力」は、スキルのみでなく専門職としての冷静さと寄り添う温かい心も必要であると思います。

「強み」は、誰でも経験により身につけることができ、伸ばすことが可能です。
臨床現場において、患者さんとの関わりを通した日々の経験を大切に捉え、試行錯誤することでこれらの力は少しずつ伸ばすことができ、経験を重ねることにより拡がりと深まりを持つ「強み」となり、それは患者さんに対しての力だけでなく、療法士自身も成長させて頂ける力となります。目の前の患者さんに対して、その方の価値観や思いを大切にしながら関係性を構築し、自分の価値観でなくその方の思い寄り添う治療・支援ができる療法士になるためには様々な「強み」を伸ばすことが大切であり、自身もそうありたいと心に留めています。そして、人に対して可能性を信じる気持ちを持ち続けたいと思っています。

執筆者プロフィール

齋藤 久恵(HISAE SAITOH)

作業療法学科 准教授

専門領域:精神障害領域の作業療法、青年期の発達・精神障害者のデイケア

教員紹介ページ

コラム一覧はこちら