教員コラム
【教員リレーコラム】第32回 佐藤淳矢「実習の持つチカラ」
作業療法士、理学療法士になるには養成校を卒業し、国家試験に合格する必要があります。
養成校のカリキュラムには様々な専門科目などがありますが、その中に実際の施設や病院で学ぶ「実習」の科目があります。ここでは「実習」について少しお話したいと思います。
以前、私が病院勤務をしていたころ、学生さんを受け入れる実習指導者の立場として実習指導の研修会に参加しました。その研修会の話の中で「数週間、数か月の実習で学生の療法士になるための前向きな気持ちや知識をつけることは難しいです。養成校で3年、4年かけてもなかなか難しいのですから。なので気負わずに実習指導を」と研修会の講師が言っていたことを今でも覚えています。その時は「確かにそうだな」と思い、少しだけ実習指導の荷が軽くなった気がしました。
現在養成校の教員をして、学生を実習に送り出す側となりましたが、今の気持ちはあの時の講師の話とは違って、実習の持つチカラに驚かされています。大学では勉強にあまり熱心に取り組まなかった学生が実習から帰ってくると目の色が変わり、「しっかり勉強しなければ」と前向きな姿勢になって大学に戻ってくることが良くあります。
実習先では周囲に知っている友人や教員もいない中、実際の患者様と関わることや実習指導者から指導を受けることは大変なことも多いと思います。しかしながら「百聞は一見に如かず」で、それ以上に病院や施設といった実際の現場での学びは非常に重要ということです。それまで学んできた知識や技術を駆使し、つたないながらも対象者の方に関わらせていただくことで自信につながったり、また課題が明確になったりするのだと思います。大学内の授業ではなかなかイメージがつきにくかった事柄が実際の場面で見たり体験したりすることによって学校で学んだこととつながることも大きいのだと思います。
東京保健医療専門職大学では養成校として必要とされる、文科省で規定された実習時間より大幅に長い期間の実習を設定しています。たくさんの実習の中で多くの貴重な経験ができる当校で一緒に作業療法士、理学療法士を目指しませんか。
執筆者プロフィール
佐藤 淳矢(ATSUYA SATO)
作業療法学科 講師
専門領域:リハビリテーション科学・福祉工学