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【コラム】手のリハビリ「ハンドセラピィ」とは？
こんにちは！東京保健医療専門職大学入試広報部です。
みなさん、手のリハビリである「ハンドセラピィ」をご存知ですか？
リハビリと聞くと、起き上がったり、歩いたり、スポーツ復帰のためのトレーニングをイメージされる方も多いのではないでしょうか？
今回は手のリハビリ「ハンドセラピィ」についてお話します。
１、 ハンドセラピィとは？
ハンドセラピィとは、作業療法のひとつの分野として確立されているリハビリで、専門的な知識が必要です。外傷やそのほかの様々な原因によって障害を負った手に対して、評価・治療をおこない、手の機能回復を目指します。手の外傷のみにとどまらず、手の先天異常、リウマチの手、内科疾患による神経障害などの治療へと広がり、現在では、脳機能に着目した治療戦略など多く分野の手の障害を治療の対象としています。
ハンドセラピィとしての最大の目標は、「生活で使える手としての能力を再獲得する」ことです。
２、 手は繊細な構造
手は、サイズは小さいですが、骨・関節・筋肉が集まった運動器官であり、精密で複雑な運動をおこなうことができます。
そのため、リハビリには、身体の他の部分と比較したとき、より精密で繊細なアプロ―チが必要です。手の外科の対象としては、外傷、腱鞘炎などの炎症疾患、関節変形、腫瘍、先天異常など多岐に渡ります。
手の障害においては、損傷の状態や手術方法に応じてきめ細やかなリハビリテーションを行っていく必要があり、この専門的知識・技術が「ハンドセラピィ」です。
３、作業療法士によるハンドセラピィ
一般の医療施設の整形外科以外にも、「手のクリニック」や「手の外科」といった指や手を専門に扱う病院もあります。このような医療機関で、手や肘のリハビリを専門とするハンドセラピストとして活躍しているのが作業療法士です。
ハンドセラピィの実際を具体的にご紹介します。
① 評価
筋力・関節可動域・知覚などの評価をします。
② 作業療法（リハビリ）
その人にとっての「実際に生活する手」を獲得するために科学的な視点から分析をし、関節可動域の拡大や筋力の 向上などをはじめとした治療計画を立て、個別のリハビリテーションを実施します。
③ スプリント（装具）の作成
必要に応じて、患者様一人ひとりに合ったスプリント（装具）を作製します。
④ 自主トレーニング
外来で毎日リハビリに通うわけにはいかない方が多いので、個別のリハビリテーション以外の時間も練習を継続できるように手の機能や生活の改善を目指すリハビリメニューをアドバイスします。
ハンドセラピストでもある作業療法士は、身体や生活を分析評価して機能回復を促すとともに、その方が日常生活・社会生活に復帰できるように、食事や歯磨きなどの日常動作、家事、遊び、スポーツなどの生活における動作および作業活動を用いて訓練・指導・援助をおこなうスペシャリストです。
その人がその人らしく生き生きとした質の高い生活を送ることができるように心と身体を支えていく職業です。
監修：東京保健医療専門職大学教授 大澤彩（作業療法士）