新着情報

教員コラム

【教員リレーコラム】第38回 佐々木博之「はたらく細胞」

『はたらく細胞』は、月刊少年シリウス(講談社)でコミック連載され、現在映画でも実写化されて大変評判のようです。主人公は、赤血球、白血球や血小板などの細胞たちであり、彼らが体内での様々な仕事や役割を果たしていく様子が描かれています。また、微生物たちのキャラクターも登場しています。

映画では、主に免疫機能に関わる細胞たちが体内を舞台に、病原体との戦いや傷の治癒など、体の機能を維持するために日夜奮闘し、各々が持つ特徴や役割に応じて協力しあって、体内の調和を保つために働いています。作品は、科学的な根拠に基づく細胞の機能が描かれており、細胞や体内の仕組みに興味を持つ読者にも楽しめる内容です。

体を構成している細胞たちは他にも、体内で情報処理と伝達をする細胞(神経細胞)、骨を作る細胞(骨芽細胞)、骨を壊す細胞(破骨細胞)、体を動かす細胞(筋細胞)、栄養を吸収する細胞(腸上皮細胞)、老廃物を体の外に排出する細胞(腎糸球体細胞)、、、

と、数多くの働く細胞たちが興味深い形を持ちつつ多様な働きを担っています。これらの細胞は、遺伝子情報を基にして特定の機能を持つようにプログラムされており、それぞれが協力しあって体の正常な機能を維持しています。私たちの健康や生命活動は、働く細胞の集合体が担っていると言えるでしょう。解剖学や生理学や病理学ではこれらの細胞の構造と機能の、不思議だけど、美しく調和のとれた現象を学ぶことが出来ます。

理学療法士や作業療法士を目指しながら、人体の不思議をのぞいてみませんか?

執筆者プロフィール

佐々木 博之(HIROYUKI SASAKI)

東京保健医療専門職大学 作業療法学科 教授

医学博士

専門領域:解剖学、組織学、細胞生物学

教員紹介ページ

コラム一覧はこちら