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【教員リレーコラム】第40回 菊地みほ「“誰かのために“の力」

3月11日、東京保健医療専門職大学の二期生が卒業式を迎えました。コロナの影響が大きい時期に入学され、大学生活は本当に大変だったことと思います。式典で晴れやかな卒業生達のお顔を見ながら四年の歳月を振り返り、いろいろな学生さんが不安になったり悩んだりしてお話に来てくれた時のことを思い出していました。

国家試験や実習への不安が強い学生さん達にはよく「自分がうまくいくかどうかだけに気持ちが向くと不安が大きくなるから、“どの勉強も、この不安や苦しみも、いつか自分が出会う患者さんのための学びだ“と意識してみてね」と話していました。何人もの学生さんが「リハビリの仕事を通して誰かの力になりたいと思った、その時の気持ちに戻らないといけないですね」と答えてくれました。「人は自分のためだけでなく誰かのために生きる時、初めて本当の生命を生きたことになる」。これは古今東西の聖人と呼ばれた人たちが共通して残している言葉です。

「誰かのために」そして「3月11日」と言えば、日本人として忘れることのできない東日本大震災が起こった日でもあり、昨年は能登半島にも地震や豪雨の大きな被害が発生しました。私が顧問をつとめているボランティア・サークルでは、学生さん達が被災地のため一生懸命に街頭募金活動を行い、江東区ボランティア・地域貢献活動センターのご協力を得て、支援金と応援メッセージの寄せ書き旗を、石川県の被災地に届けました。寄せ書きは今、珠洲市社会福祉協議会に飾られています。本学にはボランティアに関心のある学生さんが多く、これからもいろいろな活動を展開していく予定ですので、少しでもボランティアや地域貢献活動に関心のある方はぜひご一緒に。

勉強も実習もボランティアも、“誰かの幸せのために”と思えば、きっと自分でも驚くほどの勇気が湧いてきます。そして大学生活の中で悩んだこと・苦しんだことも全て、いつか誰かを支える大きな力へと変えていけます。

卒業生、在校生、そしてこれから出会う皆さんに幸多かれ!

執筆者プロフィール

菊地 みほ(MIHO KIKUCHI)

東京保健医療専門職大学 作業療法学科 教授

専門領域:地域福祉、障害者福祉、福祉教育、ソーシャルワーク

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