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【教員リレーコラム】第16回 鳥居昭久「パラリンピック…障害を乗り越えて…」

陸上競技場の賑わい

今、オリンピックに引き続き、フランス、パリでは、パラリンピックが大々的に開催されています。

日本では、オリンピックに比べてイマイチ注目度が高くないパラリンピックですが、パリでは本当に盛り上がっていて、どの競技会場も多くの観客で賑わっており、隣の人との会話に困るくらいの大歓声が起きています。2021年に開催された東京パラリンピックの際には、コロナウイルス感染の影響で全くの無観客開催でしたが、その時とは全く違う歓喜と興奮に包まれた大会として、パリ市のみならず、フランス全体で盛り上がっている雰囲気です。

そして、その中で、各国の選手たちも声援に後押しされて、素晴らしいパフォーマンスを発揮しております。日本選手も水泳の鈴木選手が初日に金メダル獲得したのを皮切りに、車いすラグビーが初の金メダルに輝く快挙を達成するなど、日本のパラスポーツのレベルの高さを世界に誇っています。

私は、2021年の東京大会を含めて過去のパラリンピックの際には、競技種目の指導者として、また、日本選手団本部トレーナーとして、直接日本選手のサポートに携わってまいりましたが、今回は、選手村とは別の場所に設置した、日本スポーツ振興センターが主催するオリンピック・パラリンピック村外サポート拠点のスタッフとして、パラリンピックに参加する選手を裏で支える役割で参加しています。

この村外サポート拠点では、選手が最高のパフォーマンスを発揮するための適切なコンディショニングができるように、私を含めた11名の理学療法士(パラスポーツトレーナー資格保有者)の他に、トレーニング、心理サポート、映像分析サポート、栄養サポートなどの専門家が集まり、選手を多角的に支援する施設を運営し、また、交代浴やリラックスエリアなどを完備して、選手の疲労回復やリフレッシュを促すことができる設備も整えております。

オリンピックの選手も素晴らしいのですが、パラリンピックに出る選手が、心身に障害を持ちながらも、それに屈することなく、障害を乗り越え、自らの能力を最大限に発揮しようと取り組む姿を見ているだけで、私自身にも勇気をもらうことができる素晴らしさを感じます。もちろん、障害は個人差が大きく、頑張っても勝てないことが大半です。それでも、障害を乗り越えて頑張っていこうという姿に、1人の人間として、負けない心の大切さを感じています。

私自身もそうですが、学生たちも、日々の生活の中で、辛い事、苦しいことはたくさんあると思います。でも、さまざまなハンディを背負ってもなお、前向きに進んでいるパラアスリートの姿を見習って、私たち自身も何事にも前向きに進んでいきたいですね。

そんな感動を直接感じている毎日です。

こんな機会を得られたこと、長期出張に際しご理解とご協力頂いた大学の皆様には、心から感謝しております。

今月下旬からは、後期も始まります。パラリンピックで得られた感動と勇気を、本学の学生たちにも伝えていけたら幸いです。

パリパラリンピックについての情報はこちらをご覧ください。
 

執筆者プロフィール

鳥居 昭久(AKIHISA TORII)

理学療法学科 教授

専門領域:スポーツ理学療法、パラスポーツ、健康科学、トレーニング論

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