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【研究発表】富田義人准教授が国際学会で発表しました

本学理学療法学科の富田義人准教授が国際学会で発表しました。

本大会は、
第23回ヨーロッパ人類学会:23rd European Anthropological Association Congress
第16回国際成長学会:16th International Society for the Study of Human Growth and
Clinical Auxology Congress
の共同開催でクロアチアの首都ザグレブで開催されました。

クロアチア国立劇場 クロアチア国立劇場

発表タイトルは「Association between Urinary PENTOSIDINE and muscle mass among young male university students: A preliminary study」で、大学生においてペントシジンが筋肉量と関連するという研究を報告しました。

質疑応答の様子 質疑応答の様子

【解説】

  • ペントシジン (Pentosidine) :糖化反応(AGEs: Advanced Glycation End Products, 進行糖化最終生成物)の一種です。糖化とは、糖がタンパク質や脂質に結合して、老化やさまざまな疾患に関与する生成物が形成されるプロセスのことです。
  • 筋肉機能の低下: ペントシジンのようなAGEsは、筋肉のコラーゲン繊維に蓄積し、これにより筋肉の柔軟性が低下します。これが、筋力の減少や筋肉の硬直、関節可動域の制限を引き起こす可能性があります。
  • 筋肉の質の低下: 筋肉は、質の良いタンパク質でできていますが、AGEsの蓄積は筋肉タンパク質の変性を引き起こし、筋肉の質を低下させることがあります。これにより、筋肉量そのものは減少しなくても、筋力やパフォーマンスに悪影響が出ることがあります。
  • サルコペニア(加齢に伴う筋肉減少症)との関係: 高齢者では、AGEs(特にペントシジン)の蓄積がサルコペニアと関連しているとされています。サルコペニアは、加齢に伴って筋肉量が減少し、筋力が低下する症状で、AGEsの蓄積がこれを加速させると考えられています。
  • 筋修復や成長への影響: 糖化反応によって筋肉の柔軟性や再生能力が低下することが考えられます。これは、筋肉の修復が遅れたり、筋トレ後の回復が妨げられる原因になります。
  • ペントシジンの影響を軽減するための対策: 糖質の過剰摂取を控え、AGEsの生成を抑える食生活が推奨されます。抗酸化物質が豊富な食材(野菜や果物など)を摂取することも効果的です。定期的な運動は、筋肉の健康を維持し、糖化生成物の蓄積を抑える効果があるとされています。また、運動は筋肉量の維持や向上に寄与し、サルコペニアの進行を防ぐのに有効です。一部の研究では、AGEsを抑制する効果が期待できるサプリメント(カルノシン、ビタミンC、ビタミンEなど)を摂取することが、AGEsの生成を抑えることに役立つとされています。

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